【読書メモ】伝わる・揺さぶる!文章を書く
2001年11月出版。
文章の型
山田ズーニーさんの「伝わる・揺さぶる!文章を書く」に書かれているのは、文章の型だと思います。 今まで自己流で文章を書いてきましたが、この本に紹介されている7つの要件をチェックすることで、自分の文章を客観的に評価できるようになると感じました。 では、7つの要件とは何でしょうか。 それは、
- 意見
- 望む結果
- 論点
- 読み手
- 自分の立場
- 論拠
- 根本思想
です。 簡単に言うと、自分の気持ちに素直に(7)、だれがどうなって欲しいかをはっきりとさせ(2)、相手の状況(4)と自分の立場をふまえた上で(5)、話を明確にした上で(3)、納得させる理由をつけて(6)、一番言いたいことを書く(1)ということです。
文章の型を実践する
本書では前半にこの7つの要件を詳細に説明し、後半では実践編としてこれらをどのように意識して文章を書いていくかを示しています。
特に印象的なのは、説得する文章のときでは、相手が何を論拠としているかを考え抜くということです。
例えばMacBookAirを人に薦める際に、軽いとか薄いとか速いとか、いくら性能を褒めただけでは十分ではないかもしれません。
相手が「でも値段が高いんでしょ?」と言うだけで自分の論理は破綻してしまいます。
それは、自分は性能が高いことが一番重要でそれを説明したが、相手にとってはそれよりも重要だと考えていることがあるということです。
ここでむきになって、「でも〜というすごい機能もあって、…」という風に反論しても、相手にとっては値段が安いことの方が重要なことなので議論は一向に進みません。
ポイントとしては、相手の論拠を踏まえた上で意見を述べる(この場合、結果的に得をするということを伝える)か、相手が置いている価値よりも自分が置いている価値の方が重要だと述べる(お金よりも性能の方が大事だということを伝える)ことで、相手を説得することができるということです。
他にもお願いするときの文章やエントリーシートの文章などの他の場合の実践も記載されています。
ポイント引用+感想メモ
意見とは、自分が考えてきた「問い」に対して、自分が出した「答え」である。 …いい意見を出す人は、「問い」も深い。
正論を押し付けても意味が無い。 …「論拠」が正しいことと、それを論拠にした「意見」が正しいかどうかは、まったく別の問題だ。
自分の腑に落ちるまで、自分の生き方にあった言葉を探し、言葉を発見し、自分を偽らない文章を書くことによってのみ、読み手の心は動くのだ。
正直という戦略をとる。つまり、自分に忠実でありつつ、かつ人と関わることを目指す。そのためには、厳しい文章術の鍛錬が必要だ。なぜなら、自分の正直な姿を表すところは、自分の中ではないからだ。自分の中ではない、紙の上でも、パソコン上でもない。「相手の中」だ。 ここに大きな壁が立ちはだかってくる。
- 作者: 山田ズーニー
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2001/11/01
- メディア: 新書
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